過去の企画展


版画に見る印象派 陽のあたる午後、天使の指がそっと
開催期間
2010年2月20日(土)〜3月28日(日)
休館日
月曜日(3/22は開館)
開館時間
午前10時〜午後5時30分
(入場は閉館の30分前まで)
ところ
企画展示室(2階)

観覧料


一般900円(720円) 、大高生720円(580円)

( )内は20名以上の団体料金。
中学生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方(付き添い1名を含む)はいずれも無料です。

主 催
埼玉県立近代美術館
協 力
JR東日本大宮支社
企画協力
谷口事務所


展覧会の概要

今日「印象派」として知られるルノワールやピサロ、マネなどの画家たちは、19世紀後半 にすばやいタッチと明るい色彩によって絵画に革新をもたらしました。彼らは油彩画を描くかたわら、同時にエッチングやリトグラフなどの版画の制作も手がけています。マネは自作の油彩にもとづいたエッチングを制作し、ピサロやルノワールは、友人やコレクターの求めに応じて版画を制作しています。印象派の画家を先導したバルビゾン派のミレーやコローも自然と田園の風景を版に刻み、トゥールーズ=ロートレックはリトグラフのポスターによって世紀末のパリを彩りました。この時代、版画はかつてなく画家にとって重要な表現手段となったのです。
この展覧会では、印象派やバルビゾン派、ナビ派を代表する画家たちの作品や、本の挿絵として制作された作品など、さまざまな技法や制作経緯による約130点の版画作品をご紹介いたします。19世紀後半から20世紀前半におけるフランスの美しい版画の数々をじっくりとお楽しみください。


ピエール=オーギュスト・ルノワール 《帽子のピン留め》
ピエール=オーギュスト・ルノワール 《帽子のピン留め》
1898年 カラー・リトグラフ 個人蔵
ジャン=フランソワ・ミレー 《落穂拾い》
ジャン=フランソワ・ミレー 《落穂拾い》
1855-56年 エッチング 個人蔵
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 《金色の怪人面装飾のある桟敷席》 モーリス・ドニ 《母親に花の冠をかぶせる子供》
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
《金色の怪人面装飾のある桟敷席》
1893年 カラー・リトグラフ 個人蔵
モーリス・ドニ
《母親に花の冠をかぶせる子供》
1930年 カラー・リトグラフ 個人蔵


展覧会の見どころご紹介

「印象派の版画のアドバイザー フェリックス・ブラックモン」

 ブラックモン(1833−1914年)は19世紀のフランスを代表する版画家です。19世紀のフランスでは、それまで凋落傾向にあったエッチング(腐蝕銅版画)の人気が復活しますが、この復活を担った重要な版画家のひとりがブラックモンです。ちょっとこのブラックモンに注目してみましょう。

フェリックス・ブラックモン 《扉の上部》

フェリックス・ブラックモン 《扉の上部》 1852年

 まずは《扉の上部》という彼の作品。これはブラックモンが19歳の時に制作したもので、大胆な構図と緻密な描写には卓越した版画制作の技術がうかがわれます。

 鳥はブラックモンのお気に入りの主題で、3羽の鳥は左上からカラス、トラフズク、ハイタカです。右下のプレートには、フランス語で「飛ぶ(voler)ことは盗む(voler)ことではないのだ」という教訓めいた言葉が刻まれています。

フェリックス・ブラックモン 《髭鷲》
フェリックス・ブラックモン 《髭鷲》 1904年


 ブラックモンは、いわゆる「印象派展」の第1回展にも出品しています。そして印象派の画家たちと親交を結び、版画の技術を教えています。

 例えばマネの作品に見られるアクアチントの部分には、卓越した技術をもつブラックモンの手がはいっている(少なくとも彼のアドバイスに従ったもの)と言われています。

エドゥアール・マネ《異国の花(マンティーリャをかぶる女)》
エドゥアール・マネ
《異国の花(マンティーリャをかぶる女)》
1868年

 ドガ、ピサロ、カサットも彼の「生徒」のようなものでした。 ブラックモンは、1862年に設立された「腐蝕版画家協会」の中心メンバーのひとりとしてエッチングの復興に寄与しました。自ら優れた作品を残すとともに、版画の団体を組織し、多くの画家に技術を教え、版画をより大衆にとって身近なものしたといえるブラックモン。印象派の版画の制作には、いぶし銀のようなブラックモンの貢献があったのです。

カミーユ・ピサロ《エラニーの刈り草を干す農婦》
カミーユ・ピサロ
《エラニーの刈り草を干す農婦》
1897年





関連の催し物

●ギャラリートーク
学芸員が展覧会の見どころについてお話しします。
と き:
2月27日(土)、3月13日(土) 15:00〜 (30分程度)
終了しました。
会 場:
企画展示室(2階)
費 用:
企画展観覧料が必要です。


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