■展覧会の概要
〜天と地をむすぶ彫刻家〜
長澤英俊はイタリアを拠点に活躍する世界的な彫刻家です。1940年に旧満州(現中国東北部)で生まれた長澤は、母の故郷の埼玉県川島町で育ち、県立川越高校、多摩美術大学で学びました。在外中から旅を繰り返していた長澤は、1966年に日本を発って東南アジア、中近東を自転車で横断。1年後に到着したミラノにそのまま住みつき、同時代のイタリアの芸術家と交流しながら本格的な活動を始めます。
1970年代に入ると、長澤は彫刻の原点を問い直すような制作に向かい、次第に独創的な手法を生み出していきます。豊穣なイメージと壮大な構想を感じさせる長澤の作品は、ヨーロッパで高く評価され、ヴェネチア・ビエンナーレやドクメンタなどの主要な国際展でもたびたび紹介されてきました。また、近年では重力や力学の原理を用いて、独特な造形世界を創りだしてもいます。
長澤の作品では、形とイメージ、時間と空間、眼に見えるものと見えないものの関係が根本から見つめ直され、それがあるときは詩的に、あるときは明快にあらわされています。その鋭敏な洞察力と豊かな感受性によって生まれる芸術は、深遠で根源的な世界、作者の語る「イデア」の世界を私たちに鮮やかにもたらしてくれるに違いありません。
この展覧会は川越市立美術館と埼玉県立近代美術館の二会場開催されます。作者自身の展示プランにもとづき、川越市立美術館では18メートルにも及ぶ近年の大作《オーロラの向かう所-林の森》を含む5点を、埼玉県立近代美術館では1970年代以降の代表作15点をご紹介します。また、埼玉県川島町にある遠山記念館でも、伝統的な和風建築を舞台に「NAGASAWA IN KAWAJIMA 長澤英俊展-夢うつつの庭-」が、同時開催されます。三会場を併せてご覧いただき、長澤英俊の芸術の魅力をぜひ心ゆくまでご堪能ください。
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長澤英俊 《舟》 1981-82年
大理石、土、樹木
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長澤英俊 《イリデ》 1993年
大理石、鉄、真鍮、銅
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長澤英俊 《意識の構造》 2007年
木、鉄、大理石
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